一番儲かる農作物ランキング【果樹編】何を植えれば稼げるか

 

儲かる農作物ランキング第二弾は

金のなる果樹

です。

これを植えれば銭が儲かる、銭・銭・ゼニ!

というような果樹はないものかな、と一度は思った事がある方

ここでは「何本かを植えて、出来るだけ手間をかけず、投資もできるだけせず、収益化のなるだけ早いもので、

一定のお金を稼ぎたいのだけれど、何にすればいいかな」と悩んでいるあなたに向けて

有益なランキングをまとめたいと思います。

計算根拠はランキング後で説明させていただきます。。

参考元の数値は農水省のデータから。販売単価は直売価格で算出しております。

早速ランキングへまいりましょう。

 

 

第一位 ナシ   109pt

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堂々の一位

正直予想通りの結果でした。

一個当たりの抜群な単価の良さ

これといった特別労働時間のかかる作業もなく

棚をつくる初期投資、袋かけの煩わしさを考えても納得の一位。

 

注意点は、梨の産地でない場合、街路樹や生垣に人気のアレ、周囲に植えてませんか?

周囲2~3km以内にカイズカイブキ(でなくともビャクシン属の植物)がある場合、

赤星病が毎年どうやっても止まりません。大体ナシの産地でもなければあるんですよね……。

それさえなければ是非植えてみたい果樹ですね!OLYMPUS DIGITAL CAMERA

若者人気ナンバーワンの果実です。

 

 

第一位  カキ   109pt

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驚きました。

同率1位にまさか

まさかカキが躍り出るなんて思ってもみませんでした

109.03077……と全く同率

独自の指標ですが、近年贈答用の高級柿の影響か単価が上がっているのかなと見直したところ、圧倒的な初期投資、管理指標の良さに後押しされた、

コストパフォーマンスに優れた品目だということが分かりました。カンキツ並の低予算で、11月収穫という安定性(夏果実は雨や高温の影響で不安定になりやすい)も影響としては大きいかと思われます。

需要の多くを占める高齢者層をどれだけ取り込むことができるかが鍵となるでしょう。

 

第三位  ブドウ  96pt

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初期投資の大きく

栽培技術も必要な作目ですが

やはり上位につけてきたのが

やっぱりブドウ。

超高級品種から安易でオーソドックスな品種まで幅広く栽培されています。

観光農園としての需要も高く(半促成で合わせて夏休み時期を狙える)こともひとつの大きなメリット。

新梢管理⇒摘房⇒ジベレリン処理⇒摘粒⇒袋かけと、普通の肥培管理や農薬散布に加えてやることが沢山ありますが、その分応えてくれる果樹です。

 

第四位  オウトウ   84pt

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オウトウ、所謂サクランボは

当然上位にランクインされると思いましたが

(カキより下にくるとは……)

収穫時期も早く、重量も少ないので扱いやすいし、単価も高く

オウトウ農家といえば勝ち組!ってイメージありますよね

アメリカンチェリーの輸入自由化の際に差別化に成功し、高級イメージを叩き込まれた日本人には売り甲斐のある果樹です。

雨よけハウスは必須ですし、初期投資金額は最大規模にはなりますが、やってみると意外とできて面白いですね。

受粉が他の作物に比べて頭を悩まされるポイントです。

 

第五位  モモ  83 .95pt

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日本人に馴染みの深い桃

貧差で5位にランクイン!

植えてからバリバリ着果させるまでの年数が早く、成木化年数では上位果樹中イチジク・ブルーベリーに次ぐ2位

ただ棚仕立てもハウスも要らない中ではリンゴに次いで初期投資がかかります

それから成るのが早い分、更新も早く、厭地が問題になることも……。

老若男女幅広く人気があるフルーツで

意外と知られていない品種等、まだまだ消費者に訴えられる伸び代が大きく感じています。

輸送が苦手で、適期収穫が非常にシビア。品種にも寄りますが、毎日の糖度チェック、水管理、パートのおばちゃんの判断力を必要とさせる品目で、消費者とすれば「当たり外れが大きい」とされがちなのを克服させる『消費者教育』の成功が鍵だと思います。

 

第六位  リンゴ  83 .06pt

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時間当たり所得ではナシ、オウトウに続いて3位とハイリターンな果樹。

寒冷地にてその優位性を存分に発揮します

夜間の低温、台風被害が少ない事がなによりの条件。

所得は高いが投資もでかい

実は成木化年数が上位10位中一番遅いので、わい化苗でさっさと成らせたいところ(だからこんなに投資かかるのか……?)

加工も沢山あり、需要も最大規模。他果樹ほどに超高級品種というものは少ないけれど

それでも十分戦えるのはやっぱり果実の王様

薬剤散布回数が非常に多く必要とされ、着色技術が果樹中でも非常に難度が高いようです。経費と技術面において、所得の高さにもかかわらず順位を落とす要因となりました。

 

第七位  キウイフルーツ   74pt

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このあたりでくるかな

っと思ってたキウイがやっぱりここにきました。

棚仕立てなので経費は少しかかり、時間あたり所得で言うと、ここまであがった品目の半分くらいしかありません(時給1300円強)が、

目立った害虫もいないこと、

かいよう病くらいしか重要病害もない事

そういった栽培のしやすさが順位をここまで上げる形になりました。収穫時点では全く糖度がないので、摘果管理をしっかりできていればほぼ秀品での出荷が可能でしょう。

追熟で出荷日を調整できることも大きな強みです。

近年では良食味の黄色品種、赤色品種など出ていますし、需要は高いので始めるなら是非新品種に挑戦したいところです。

 

第八位  ブルーベリー  71pt

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近年新規就農者を中心に

非常に人気のブルーベリー

健康食品としての認知も高く、ポット栽培の技術が確立しているのも普及の原因かと思われます。

また、栽培が至って容易で、カラスさえ防いでおけば成ってくれると言っても差し支えない程。

キウイと同じく所得は高くはないものの、栽培の容易さでランクインした品目と言えるでしょう。

キウイとの違いは、樹上完熟する点。しかも小粒のくせに一つ一つ順に完熟していくため、収穫労力があまりにも手間。

ここでの数値は直売価格ですので、やるなら観光農園でやるべきでしょう。

ちょうど露地でもばっちり夏休み期間ですし、加工用途も広いのでその点では抜群だといえるでしょう。

 

第九位  スモモ   69pt

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筆者の一番好きな果物です♪

適期収穫のスモモは甘味と酸味のバランスが素晴らしくてこんなに美味しいフルーツがあったのかと感動するほど

でも適期収穫じゃ輸送に不向きでなかなか出回りません。

是非直売、観光農園で取り入れたい果樹ですね。

時間あたり所得はキウイ、ブルーベリーよりは高いものの、摘果、薬剤散布はしっかりと必要で、栽培が特別容易ではないためこの位置についたという結果に。

近年は、太陽や貴陽などの大きな品種が主流になりつつありますし、高値をつけることも増えてきました。

皮を向かなくてよいというメリットを生かした戦略を図りたいところです。

 

第十位  イチジク  63pt

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なんと言っても最速で結実させられるのが

最も魅力の果樹。

さらに、挿し木でどんどん増やせるので、剪定中のイチジク農家のところへ行けば

無料で大量の苗を育苗することも可能です。

そして早ければ一年目、遅くとも三年目には果実を収穫することができます。

品種も数多くありますし、栽培自体は容易なのですが、雨に頗る弱いため

近年多くのイチジク農家が雨よけハウスに移行しつつあります。

十分露地でも成るのですが、雨が多い年では収入が激減しかねないため若干の博打性があるとも言えます。

 

カンキツが入らなかった……

 

 

ランキング数値算出方法。計算根拠

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ランキング作成にあたり重視したのは、土地はあるので何か植えたい!と思っている人の参考になるということです。

収益性は一つ大切な要素ですが、

手間がかかるかどうか

早く収益化(収穫)できるかどうか

ハードルの高さ(初期投資の大きさ)

技術習得の難易度

を数値化する必要があるとまず考えました。

 

どのくらい収入があるか、手間がかかるかどうか

 

まず10a(1反)あたりの収入-経費÷労働時間=時給(時間あたり所得)

で計算します。

 

一本だけ植えてみたいという方も多いでしょうが

一本単位の計算だと、収益は低い代わりに労力のあまり必要ない作物のメリットが反映されにくいのです。

 

収益化に時間がかかるかどうか

また、成園化されてしまった果樹園の比較だけだと

 

植えて直ぐ2,3年で収穫に至る作物のメリット、収穫まで5,6年かかる作物のデメリットが反映されない

 

ため、成木化にかかる年数+18で割ることによって補正をかけてランキングにしております。

例えば時給1200円の作物で、定植後8年で成木になる場合、

1200÷(18+8)=46

同じ時給で12年かかる場合

1200÷(18+12)=40

と数値を出しております(18という数字は、成木になってから収穫量が増え続けられる年数の平均、更新の目安となる年数です)

 

初期投資のハードル

それから、もちろん経費の考え方もたくさんあります。SS(乗用薬剤散布機)など、果樹農家に必須の機械だとしても

片手間にやるのであれば必要ありませんし、メインでやるにしても、幼木の時はすでに持っている動噴で農薬散布しても構いませんよね。

こういった現実的に最初からは要らないものはハードルの高さという面では外してしまいます。

ナシの様に棚仕立てにするもの、オウトウの様にハウスが必須なもの

ブドウの様に棚仕立てにした上で雨よけハウスも必要なもの

これらのハードルの高さを主なデメリットとして計算しなければなりませんが、心理的な要素も大きいのであまり数値に反映させても実態とは異なるランキングになると考えました。

結論としましては

10aあたり初期投資50万円以下  ? -5
10aあたり初期投資100万円以下 -10
10aあたり初期投資150万円以下 -15   つまり・・・

初期投資10万円ごとに-1ポイント

というところが妥当なラインに感じました(実際に栽培している筆者の主観です)

 

最後に

技術習得の難易度

ですが、作物を栽培したことがある人なら分かると思います。

どんなに容易な作物だろうと、追及すればどれも奥深く、作業量や必要技術が少なければ少ない程単価も低くなり、回転数や面積が必要になってくるため、それなりの努力が必要になってくるということは

果樹においても全く同じで、それぞれに一生かけて学ぶべきことは沢山あります。

新規果樹を取り組む際に難易度という面で気になるところは

ある程度放置しててもおいしい実がなってくれるかどうか

じゃないでしょうか?

その点で言えば、ブドウとウメには大きな差があります。

サイドビジネスとしてお考えの方にとっては、もしかすると最も大切な部分かもしれません。

筆者の意図として、日本農業の最大の強みは世界一レベルの高いフルーツにある、という思いからも

是非土地あるところに果樹をちょっとでも植えてほしい願望、果樹普及活動として

ここをある程度数値に反映させたいと考えました。

 

 

無農薬、無摘果、無剪定、無施肥でも10年は秀品率50%が期待できる作物 +30  アケビ、クリなど
適時農薬散布1~2回、荒摘果1回程度で秀品率80%も可能な作物 +20 ウメ、アンズ、レモンなど
適時農薬散布1~2回、荒摘果1回程度で秀品率50%も可能な作物 +15 カキ、温州ミカン、スモモ、イチジクなど
農薬散布3~4回、摘果2回程度は必要・袋かけが必要な作物 +10  ナシ、ビワ、リンゴ、モモなど

 

 

12 件のコメント

  • 素晴らしい分析です。海外で30Haのキウイフルーツ(赤)を栽培して今年で7年目、未だに赤字が続いています。反省点としては
    1)自然環境悪い・・・干ばつによる灌水費用
    2)開園最初きちんと企劃していなかった。乗用草刈り機や農薬まきSS、そして肥料蒔き、収穫の運搬等機械利用不能・・・人件費掛かりすぎ
    3)剪定、受粉、摘果、袋かけ、結束、こう言ったなくては成らない作業があります。
    4)資源が高い・・・・籾殻や牛糞堆肥などが高騰している(利用者が多い)
    5)販路がきちんとなっていない。
    直売価格や実りの様子は非常に魅力感じますので、家庭事情もあり、海外農園を辞め、上記1~5の項目(3を除き)をクリアーし、もう一度日本国内で始めたいと思っております。
    農園経営7年目とはいえ、経営の面に置いては知識が少なく、更なるアドバイスを頂ければ助かります。宜しくお願いします。

    • 高森さん
      海外で農業とは、すごいですね。私も将来の夢は、海外で農業です。今は日本で、果物を作っています
      どこでキウイを作ってるのですか?
      30ヘクタールはかなり広いですね。私は5ヘクタールです。

  • 面白かったです。「中山間地再生に樹園地化」を唱え、9月3日の朝日「声」に搭載されました。貴殿のような方が全国の中山間地を果樹園化し、先代のない新規就農者への「つなぎの事業者」の役割をビジネスとしてになって頂けると日本農業の再生に効果的と思っています。農地への不動産サブリース事業の導入が今、求められます。

  • 鳥獣被害を避けるため、「中山間地の樹園地化」を修正し今、「山間地の花木園化、中間地の果樹園化による新規参入者誘致」を各県へ提案しています。水もなく、傾斜地でもある中山間地の畑へは果樹・花木・茶木等苗木の新植、育成、成木化による農地(樹園地)賃貸借条件での成園譲渡が最適との考えからです。若い新規参入者へ過疎化しつつある山間地への移住、定住、常在を求めるは獄です。参入に際しての「兼業農業」、至近市街地からの「通いの農業」の容認も併せて各自治体へ要請しています。収穫収入までに何年もかかる果樹園等への新規参入者への支援・誘致による中山間地再生ができたら地主の方々にも喜んでもらえるのではないかと思っています。これから新規参入を希望される方々からのご要望をお寄せ下さい。投稿文に盛らせていただきます。

  • 次の果樹園へ取り組んでおられる様子が見えます。13歳から18歳まで長野の水のない中山間地で桃や梅の栽培経験があります。貴所のそばには小川が見えますから何時でも苗木の新植ができるよい立地ですね。小生の実家には飲料水の井戸迄200メーターもあり苗木の定植は雨の気配を感じてからの作業でした。貴殿が実家の後を継がれて新たな挑戦に踏み切っておられる姿勢に驚嘆です。果樹の次は何に取り組まれるのでしょう。若し鳥獣の被害が想定される山間地なら被害対策装置への投資は負担になります。鳥獣被害を避け、小生の提案している生け花向け花木園化への挑戦もしてみて下さい。花卉市場関係者とよく相談され、粗放栽培できる野生樹種(桜や花桃の他、ヒムロスギ、アブラドウダン、マンサク、ヒメナンテンという選択肢を唱える大阪の市場関係者もいます)への取り組みも面白いかも。それよりも果樹・花木を育成して成木化までにその農地を樹園地としての賃貸借条件で、新規参入者へ成園を一括譲渡して樹園地賃借料(地代)をもらう事業への挑戦をしてみませんか。地元の首長へ域外からの先代を持たない新規参入者誘致事業をしたいとの提案には顧問弁護士の紹介等、積極的支援が得られるでしょう。中山間地の再生を地方創生の重要な要として捉えて頂き、地域や地方への貢献をしてください。貴殿にはそれをお願いできる有為な人材と期待しています。小生に残された時間も少ないですが農業譲渡や農業経営委託等事業経験の範囲内でのご協力を貴所の弁護士先生と共にさせてもらいます。

  • 記事を読ませていただきました。中山間地域ですと、傾斜地も多いかと思います。果樹を平地で植えることは作業効率の点で優位と言えるでしょうか?

  • 内田さんへ:自己所有地なら平地の畑の方が作業効率上良いに決まっています。このままでは借り手のいない中山間畑地から賃貸で地代を得る手段として「通いでもできる果樹花木園」に絞っての地域や地主への提案なのです。

  • 参考になります。
    北海道で副業で山林を開拓し果樹等を開始しようと考えていますが具体的な品種など素人でも始められるものがありましたら教えてください。
    週末農家でも成り立つものがありましたら。
    敷地は1万坪くらいです。

    • 森本様へ:問いに気つくのが遅れすみません。私の提案は耕作放棄農地の樹園地化です。ご所有の山林の転換による花木園化には費用対効果上の問題点があり、既存の山林としての価値を高めながら活用できる道を見出したい。今、都会には日陰や反日蔭地が増えており今後も増え続けます。日陰でも育つ観賞用植物への多角的潜在需要があるように思います。有識者からの助言も必要ですが山林内の既存植生や実生の小鉢への移植を繰り返せば常時生産出荷ができるように思います。正月の満了・千両に限らず、カエデ・ヤマモミジ密植、カラタチバナ・ヤブコウジ・ヤブランの寄せ植えの小鉢物は都市の北側出窓に安らぎをもたらします。都会人が今、求めるは苔むした山道に自生する草木ではないかと思う。令和の地代は緑地を増やし、地球環境に貢献できる事業やビジネス化が求められているように思います。

  • 私は耕作放棄農地だった土地に2018年より、栗27本 ・アボカド10本 ・ブルーベリー12本 植えています。
    果樹を植えた理由は放置されてた農地の有効活用と定年後の収入0が怖く今のうちに行動をしようと思いました。
    未だ耕作放棄農地があるので、品目を増やすのか既存の品目を追加するか迷っています。アドバイスを頂けたらと思います。
    因みに大分県在住です。
    よろしくお願いします。

    • 定年前からの取り組みは素晴らしい。先ずは立地に見合った選択です。山間地等条件が悪く鳥獣被害が想定される用地への樹種は銀杏、山椒等果樹種かユーカリ等花木種に限定されたら方が良いと思う。定年後に専業化又は兼業化によって手間のかかる樹種か粗放栽培で兼業でできる樹種の選択肢が問われます。専業で取り組まれるなら収穫時等集中作業が重複しない品種や樹種の選択が必要となりますので苗木生産業者のアドバイスを求めてください。強健で手間のかからない選択や加工用果実への特化を勧めたい。

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