農業の民主化

農業の民主化とは何か?

すべての国民が農業にアクセスできる世界を構築すること。

それが我々の目標であり、それにより達成される世界は、今とは全く異なるものになると信じています。

なぜそう思うのかは後述しますが、具体的に農業の民主化のために行なっている活動について解説します。

耕作放棄地について【問題提起】

耕作放棄地の問題は深刻です。

毎年大量の放棄地が発生し続けています。

この農地は、山間部に特に多く、経済的に利用する合理的な理由は全くありません。

先祖代々繋いでいるから…、そんな思いで維持されているだけです。

小さな農地が集約されれば良いと主張する人もいるでしょうが、それは不可能なのです。

平地の広い優良農地は、むしろ取り合いで、今後集約し大規模化を目指す少数の農家で取り合いになるのですが

耕作放棄地には耕作放棄される理由が必ずあります。

土壌物理性、鳥獣害、面積の狭さ・不整形が理由で効率化に向かないなど

まず営利栽培しようとする農家に選ばれることはありません。

我々はこの耕作放棄地問題を一挙に解決します。

技術の発展

我々は現在、自動管理ロボットを開発しています。

近年目覚ましい発展を遂げている技術によって

現在、事実としてプロ農家の生産性はさらに上がり農家戸数が激減しており、耕作放棄地は爆増しています。

しかし、これまで通りにプロ農家の営利栽培の能力を上げることだけに技術を活用することは、数多ある問題の解決を先延ばしにするどころか悪化させる側面もあると我々は考えています。

近年勢いを増してきたAIは、当然プロ農家の生産性を拡大させるでしょう。

しかし、それ以上にAIは、アマチュアの素人でも大して変わらない生産性を上げることを可能にします。

我々はこの耕作放棄地を活用し、小規模な自動自給自足KITを非農家の都市住民に貸し出します。

最初はある程度の管理作業が必要になるのですが、最終的にはほぼ自動化されるまでアップデートされ続けます。

アップデートされる農園として貸し出し、多くの人が家族単位で食べるものは自給できるという世界を構築します。

自動自給自足KIT

まずは、小型ハウスでの野菜自給を確保してもらいます。

当然、これでは肝心のカロリーやタンパク質の自給には不十分ですが、ある程度の自動化により

週1〜月1回だけ畑に行けば、一家が満足に食べられる量の収穫をすることが可能になります。

将来的には養鶏セット・水田セットと、カロリーやタンパク質も含めた完全自給自足KITまで拡張予定ですが

まずは野菜やフルーツなどの自給から、家庭菜園の延長として楽しんでいただくことがスタートになると考えています。

 

なぜそんなことをするのか

我々は農業について長年議論し続けてきました。

  • 政治的側面から見た安全保障・環境保全としての農業
  • 経済的側面から見た産業としての農業
  • 文化的・宗教的な農業の意義や価値
  • 現場から見える経営者としての農業
  • 地方文化の継承を担う農家の位置付け
  • 生物学的、化学的な視点で見る農業
  • 消費者から見える生産業者としての農業
  • 農業関連産業から見える消費者としての農業

あらゆる角度から思考を巡らし、それを公開し続けてきました。

その結果として、我々が辿り着いたすべての問題に対する解決策として見出した答えが

農業の民主化

です。

農業の問題を様々な立場から、様々な角度から論じる人は多いですが

我々はおそらく、そのすべてを議論し尽くしてきたと思っています。

その議論の内容が認められ、国内外の企業から様々な賞までいただきました。

現在言われているすべての問題の根底には、農業に限らず、労働格差の問題が潜んでいると考えます。

その労働の根底にある活動が農業労働です。

それは歴史的に明らかなことです。生命の活動電源であるカロリーを生み出す労働だからです。

そしてその農業労働というのは、大変つらい作業であり、この労働からどれだけ離れられるか、というのが文明の目標であり豊かな社会構築の結果得られるものとなっています。

エデンの園で、禁断の果実を食べてしまったアダムは、一生農業労働をしなければならないという原罪を負わされ追放されることになったのですが

その罪を軽くし、罰から、労働から離れるために人々は努力してきました。

明治時代、国民の70%いた農家は、現在国民の1%まで減少することができました。それはすなわち、その分日本国が豊かになったことと同義です。

これからもさらにこの農業の縮小が進めば進むほど、経済的に日本は豊かになっていくでしょう。

ブルシットジョブ

しかし、その豊かさは長く続かないことも現在証明され始めています。

農業から人が離れられるようになると、一時的に経済は豊かになります。

何故なら、人々は農業労働をするように、他の労働、2次産業や3次産業を行うようになるからです。

食うために働くということは大変なことですが、その力を利用して車を作り、ビルを作り、社会を形成すると

ものすごい勢いで経済が活性化します。日本は特に目覚ましい発展を遂げました。

しかし、それは1世代の間。松下幸之助や本田宗一郎らが存命だった時までの話です。

それ以降の世代は、特に新しいモノやサービスを生まなくなり、株価の上昇や不動産・金融業で出した利益で、人々は徐々に意味のない仕事「ブルシットジョブ」を行うようになりました。

必要のない会議、意味のない書類作りだけをして、実態として労働をせず、実際に生産をしているエッセンシャルワーカーの給料は下がり続け、意味のないブルシットジョブの給料だけが上がり始め、経済が停滞しだすのです。

日本には強力な不安遺伝子があり、社員をクビにできない状況を作り上げたため、組織内からの変革はほぼ不可能です。何も生まなくても高給と安定した休みが得られる立場を自ら壊そうとはしません。もう社長も雇われなのです。社会を変革したワントップの大創業者はもういないのです。

そこで重要なのが外圧です。先にその状況に陥り日本に抜かれそうになったアメリカからは、新たにGAFAなどの企業が生まれました。

今や古い大企業ら含めたアメリカ経済全体は日本と同じく下降線を辿っていますが、一部GAFAらのおかげだけで足し合わせると経済成長をしているように見えます。

日本では既存勢力を脅かそうとする振興IT企業を90年代に抑えつけることに大企業が成功しました。さすが江戸幕府を築き上げたブルシット大国です。譜代大名らで決して反乱を起こさない守りは鉄壁です。組織内からも組織外からもこの既得権益らを崩壊させることは難しく、ただただブルシットジョブを増殖させ、何も生産せずに給料を確保できていることが明らかになってきました。

ベーシックインカム

農業の生産性がさらに上がり、1次産業からさらに人が減り、その後更なるブルシットジョブが生まれる構造が続くことは、より人が本質的に働かなくて良くなる構造として理解できます。

紙の書類に手書きをして歩いて取引先に渡しに行かなければならなかった時代から、多くのテクノロジーがその作業を代替しても、役員や事務員の数は増えているのですから(会社全体では不動産・金融等で利益は上がっているR>G)何かしら意味のないことを増やして、とにかく労働時間を埋めなければならないと皆で思い込むこともしようがないと思います。

それもこれも、働かなければならないという強迫観念によるものですが、それはあまりにも生きていく上での選択肢が少ないがために起こってしまうのではないかと考えています。

もしも誰もが簡単に、片手間で自給できるようになったら、どうでしょう? 意味のない仕事に縛られる必要性は薄まるのではないでしょうか? 食うために働く必要は無くなっていきます。

これを達成する手段としては、ベーシックインカムが最も適切だと考えていますが、そのベーシックインカムを、政府から、トップダウンで起こすのではなく、労働階層の一番下にいる、我々農家から起こしてしまおうというのが我々の考える、農業の民主化です。

そのために必要なテクノロジーが、もうすぐ、数年以内に完成可能なのです。

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